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 遠赤外線式家庭用焙煎器

壁面の突起

偶然ながら現在使用中の、開口部が広い焙烙が家庭での焙煎には最適な容器でした。

私は20年以上、焙烙を使って焙煎を続けています。1回につき約100gの生豆を焙烙に入れ、15分から25分間、焙烙を火の上にかざし、竹ヘラで豆をかき混ぜています。しかもブレンド珈琲が好きなので、毎回4種類の生豆を別々に焙煎しています。1時間から1時間40分焙烙を火にかざしているわけです。よっぽど物好きでないと長続きしません。何かもっと効率を上げられないか?自動化出来ないか?と考える様になりました。

陶器の釉薬や粘土の組成を変えれば遠赤外線放出量をもっと増やせる可能性は有るかも知れません。でも個人では素材や釉薬を色々変えたり、放出量の計測までは思う様に出来ません。

そこで思いついたのは「表面積の増加」です。遠赤外は陶器の表面全体から放射されるのだから,表面積を増やせば放射量も増えるはずです。表面積を増やすには容器の内側に凹凸を付ければ良いはずです。

どの様な突起をどの様に付けるべきか?表面積を大きくする形状は四角錐、円錐、三角錐、吸音壁の形状等が思い当たります。但し、効率を考えると、平面上に突起を並べる場合は頂点(隣同士の突起の斜面が交差する角度)の角度が重要で有る事に気づきました。

下の図をご覧ください。底辺の長さが同じでも高さを変えると頂点角度の異なる三角形ABC3つが考えられます。Aの頂点角度は90°より大きく、Bの頂点角度は丁度90°、Cの頂点角度は90°以下になっています。  

 

お判りの様にAは他に比べて背が低くなり、従って面積もB,Cに比べ小さくなります。 

Cは高さが他より高いので表面積は多くなりますが、単に表面積が大きければ良い訳ではありません。なぜなら、底辺近くから放出された遠赤外線は隣の三角に当たり、そこで吸収されてしまい、豆には届きません。「遠赤外線をよく放出する物質は遠赤外線を良く吸収する特徴を持っています。」(遠赤外線協会 FAQ Q4) なのでCにおいて豆にまで届く有効遠赤外線は図の赤線で囲まれた面から放出されるものだけとなり、有効面積は、見た目より小さい事が判ります。 

なので、放出された遠赤外線を全て豆に当て、尚且つ総表面積を最も大きくするには突起物の頂点角度を90度にすべきだと判りました。頂点が90°となる四角錐、三角錐、円錐の各総表面積を計算で求め、比較してみました。その結果、正四角錐が他の形状より最も総面積が大きくなり、突起の無い時より、総表面積は1.42倍に増える事が判りました。

実際の焙烙の内面は一直線ではなく、緩やかな凹状なので、上図Bでの角度Aは90°より多少大きくする必要が有ります。焙烙の断面の半径Rとし、頂点間距離を2oとすれば、角度は90+36/(πR)となります。